メンター授業アーカイブ

各メンターが担当した授業の記録 ── YouTube字幕からの要約・後から参考用

NAGASAKI-KITA HIGH SCHOOL / 2nd GRADE INQUIRY / 2026 SPRING

2年生探究の本格スタート期に、各メンターが担当した授業を「どんな授業だったか後から参照できる」よう、配信動画の字幕を要約してまとめたもの。各章の タイムスタンプはクリックで該当シーンへジャンプ、配布資料・指導案・ハンドブックは リンクから直接開ける

§00 3つの授業
DATEMENTORTHEME
05.14 竹下スティーブ ファシリテーション ── チームで探究を進める「会議の回し方」
05.21 森 恭佑 ロジックツリー ── 社会課題を実行可能なサイズに分解する
05.28 西信 好真 ミリしらチャレンジ ── AIで未知分野を高速リサーチ
// 2026.05.14 (WED) DURATION 52min §01
ファシリテーション ── 会議の回し方
MENTOR ── 竹下スティーブ

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配布ハンドブックMATERIALS
この授業のポイント
  • 会議には「役割」と「種類」があると分かるのがゴール。今どの会議をしていて自分は何の役割かを意識できる「器」を作る(明日すぐではなく、3年に上がる頃に効けばいいと明言)
  • 心理的安全性=仲良しこよしではない。リスペクトした上で「それ本当にお客さん喜ぶ?」と言える環境のこと
  • 会議の3つの役割:ファシリテーション(司会・交通整理)/議事録(誰がいつまでに何を=アクションポイント)/タイムキーパー
  • 会議の4つの種類:ブレスト(質より量)→集約(グルーピング)→意思決定(多数決でなく全員80点以上の納得)→進捗(準備8割)
  • 3人1組で6分×3ラウンド、役割を回しながらブレストを実演
授業の流れ(クリックで該当シーンへ)
01導入:去年の活動でも会議で認識がズレてストレスもアイデアもあった。今年は共通認識を持とう
02今日のゴール:ファシリ=司会。「今どの会議をしていて自分は何の役割か」を理解する“器”をつくる。明日すぐできなくていい、3年に上がる頃に効けば
03心理的安全性①よくある誤解:仲良しこよし・同調・優しいだけの空間はNG。それでは会社も組織も成長しない、と最初に否定
04②パラサイヨの実体験:フィリピン児童養護施設支援のクリスマス会運営。隅でギターを弾き黙っていたメンバーが土壇場で「それ本当にお客さん喜ぶ?」と問い、皆が妥協に気づいて案を作り直し成功
05③本当の意味:お互いをリスペクトした上で「やばいことはちゃんと言う」場。相手の否定はNG/アイデアへの意見はOK。受け手も「自分でなくアイデアへの意見」と捉える
06会議の役割①ファシリ:ガイド役・交通整理。話がメインから逸れたらきちんと戻す
07②議事録:AIが取る時代でも「要点を理解して書く」のは重要。アクションポイント(誰が・いつまでに・何を)を明記し、次回はそれで進捗確認
08外資系の厳しさ:在籍中に1300→800人に削減。議事録を付けない会議招集は評価が下がる/発言しない人間は要らない、と教わった
09③タイムキーパー:日本の会議は始まりは厳守だが終わりが決まらずダラダラしがち。締めの時間内に成果を出すため残り時間を伝える
10会議の4つの種類:ブレスト(質より量・ポストイット1枚1案)→集約(グルーピング)→意思決定(多数決でなく全員80点以上の納得)→進捗(準備8割・事前に議事録を読む)
11演習スタート:3人1組、お題を1分で決めてブレスト6分×3ラウンド、役割(ファシリ/議事録/タイムキーパー)をローテーション。最低10案を出す
122R 集約:役割を1つずらし、出たアイデアの似たものをまとめる。集約中に新しい案が出てもOK、合体させて1つに
133R 意思決定:多数決はしない。100点でなくても全員が80点以上で納得できるプランに落とし込む
14まとめ:本番は3〜4種が一気に回るのをファシリが捌く。紙を三角に折り「今は◯◯の会議」と可視化するTips。ハンドブックを後で先生に送ると予告
終盤
15発表・振り返り:「文化祭ライブ+北校公式アプリで発信」「おばあちゃんが楽に買い物→軽い靴+観覧車型店舗」等の案。3役のどれが難しかったかを共有(ファシリ/議事録が難しいの声)。「明日できると思われるとプロの立場がない、徐々に上手くなれば」で締め
後から参考になるポイント

口頭では「心理的安全性=リスペクト」までだが、ハンドブックでは「心理的安全性×仕事の要求水準」の2軸4象限(両方高い=学習ゾーン★)まで言語化。生徒が後から深掘りできる設計。

議事録のコピペ更新方式(前回をコピー→更新箇所を太字追記→クローズ議題は削除)で、議事録を「進行中の課題の管理ボード」として運用する具体例つき。

締めの 「明日からできると思われると、プロとしてやってる僕の立場がない」 が秀逸。技術習得のハードルを下げる声かけ。

// 2026.05.21 (THU) DURATION 49min §02
ロジックツリー ── 社会課題のブレイクダウン
MENTOR ── 森 恭佑

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配布資料・指導案MATERIALS
この授業のポイント
  • 壮大すぎるテーマ(例:戦争をどうなくすか)は自分から遠すぎて手が止まる。だから細かく分解(ブレイクダウン)して自分との接点を見つける
  • ロジックツリーの3つの型
    • What(構成要素):そもそも何でできているか(例:修学旅行=行き先・移動・食事・宿・体験・人間関係)
    • Why(原因):なぜうまくいかないか。原因は1つではないと認識する
    • How(解決策):どうすれば解決できるか。Whyの逆と考えると出しやすい
  • 3つを使いこなすのが大事。What/Whyが分かっていないとHowが出てこない
  • ゲーム感覚のポイント制(1〜2段目1点/3段目以降2点)で競わせ、たくさん枝を広げることを促す
授業の流れ(クリックで該当シーンへ)
01趣旨:大きな社会課題を小さな解決方法までブレイクダウンする。壮大すぎるテーマ(戦争をなくす等)は自分から遠すぎて手が止まる=実行可能なサイズに分解する
02今日の目的:問題の構造を分析する方法を学ぶ+大きな社会課題と自分の好き・興味・強みとの接点を探す
03チェックイン:4人グループで名前・所属・ハマっているもの+「自分を表す動詞3つ」を共有(前年の動詞ワークと接続・新チームの関係構築が狙い)
04ロジックツリー解説:論理(ロジック)+木(ツリー)。抜け漏れを防ぎ、原因やアイデアをトーナメント状に細かく分解。型は大きく3つ
05What(構成要素):そもそも何でできているか。修学旅行=行き先・移動手段・食事・宿・体験活動・人間関係。まず要素に分解する
06Why(原因):なぜ思い出に残らない?つまらない・関われてない・準備不足…と掘り下げる。例=心地よく眠れないのはなぜ(場所・枕・時間・食生活)。原因は1つでないと認識するため
07How(解決策):どうすれば解決できるか。Whyの逆と考えると出しやすい。What/Whyが分からないとHowは出てこない=3つを使いこなすのが大事
08演習1(How):3つのお題(A最高のカレー/B長崎を若者に選ばれる街に/C体育祭を盛り上げる)から多数決禁止で1つ選び、Howツリーに挑戦
09書き方の指導:単語でなく文章で書く(「たくさん煮込む」「時間をかける」等)。単語だけだとぼやける
10中間発表&ポイント制:2段目×1点・3段目以降×2点で集計。最高20点超のチームが「体育祭を松山サッカー場/ピーススタジアムで」「先生だけの種目」を発表
11演習2(What):同じお題でWhat(構成要素)を遡る。「脳内再生で見た目・匂い・音までイメージすると見えてくる」と助言
12Why(原因)へ:なぜ美味しいカレーができない/なぜ盛り上がらない。最初のお題の立て方が大事。竹下氏のファシリ3役(記録・タイムキーパー)と接続
13網羅性の助言:分解した要素を全部足すと元(修学旅行・長崎の町)に戻るくらい網羅できていると質が高いロジックツリー
14集計&発表:最高125点超のチーム(体育祭=場所・人・移動・種目・道具・色…)。最後はVファーレンのWhat要素を口頭で即興回収(スタジアム・スポンサー・外国人選手・お金)
終盤
15まとめ:このフレームワークで探究を分解し、細かくなったものから自分の好き・興味との接続点を見つけてほしい
後から参考になるポイント

指導案の「目的」:①大きな社会課題を手の届く粒度まで分解する手法を学ぶ ②「好きな動詞」を軸に新チームの関係性を築き始める(チェックインの動詞3つはアイスブレイク兼・関係構築の狙い)③適切な問いの設定とアプローチの選定を練習する。

ポイント制で競わせる仕掛けが効いて、生徒が大量に枝を出した(125点=3段目以降の項目数が相当多い)。ゲーミフィケーションの好例。

前週の竹下氏のファシリ授業を受けて「ファシリ・記録・タイムキーパーやってますか?」と接続。メンター間で授業が連続したストーリーになっている

// 2026.05.28 (THU) DURATION 42min §03
ミリしらチャレンジ ── AIで未知分野を高速リサーチ
MENTOR ── 西信 好真

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配布資料MATERIALS
この授業のポイント
  • 全く知らない単語を25分でAIリサーチ→人に喋れるレベルに、というゲーム形式。実際の探究リサーチでそのまま使えるやり方の練習
  • 2つのお題:A=ケニアのM-PESA(携帯で送金できるモバイルマネー。なぜ普及したか)/B=ナイジェリア発のアフロビーツ(パリのスタジアムを埋めSpotifyチャートを賑わすアフリカ発の音楽)
  • 5つの問いテンプレをTeamsに用意しコピペで投げる:①ざっくり説明 ②論点 ③確実な事実と意見が分かれる部分 ④良い面と見落とされがちな副作用 ⑤さらに面白い切り口の提案
  • 狙いはAIの一発回答で終わらせないこと。「1回聞いて出る答えは誰でも出せる=評価されにくい」。自分の関心に沿って何度も深掘りし独自の問いを見つける
授業の流れ(クリックで該当シーンへ)
01導入・趣旨:AIリサーチをゲーム形式で。全く知らない2単語を25分で急速インプット→知らない人に喋れる(知ったかぶりできる)レベルに
022つのお題提示:A=ケニアのM-PESA(携帯で送金できるモバイルマネー)/B=ナイジェリア初のプロ・アフロビーツ(パリのスタジアムを埋めSpotifyを賑わすアフリカ発の音楽)。どちらも「なんだそれ」な題材
03狙い=深掘り:AIに聞いて一発で出る答えは誰でも出せる=評価されにくい。自分の関心に沿って何度も深掘りし、独自の切り口・問いを見つける
045つの問いテンプレ:①ざっくり説明 ②論点(ミニ討論)③確実な事実と意見が分かれる部分 ④良い面と見落とされがちな副作用 ⑤さらに面白い切り口の提案。まず①②⑤、余裕があれば③④
05発表の段取り:リサーチ後に教室内で発表。お父さん・お母さんに伝わるレベルで「3行で説明+印象的だったこと+深掘りする方向」を埋める
06配信・端末の注意:240人が一斉アクセスで重くなるため、班ごとリサーチ用タブレット2台に限定。長い回答は流し読みで大事な部分をピックアップ
07リサーチ開始(25分):A/Bを班で選び、62回生の探究チーム(Teams)に朝入れたプロンプト集をコピペしてCopilotに投げる
08中盤の声かけ:調べたものはメモして発表準備も並行。誰かが記録・タイムキーパーを(竹下氏の3役と接続)
09まとめ作業:あと数分で各教室で発表。誰が・どんな内容で発表するかを最後に固める
10発表:アフロビーツ:「2000年代にナイジェリア/ガーナで生まれた現代アフリカポップ(J-POPのアフリカ版)」と知ったかぶり発表。深掘りは“名称が本当にこれでいいのか”の方向
11発表:M-PESA:「ケニアで普及する携帯モバイルマネー。依存や格差も。一番驚いたのは“サービスが止まると経済が止まる”。さらに調べるなら税収への影響」
12まとめ:AIは裏で20〜30サイトを調べてまとめている。ハルシネーションは減ったが大事な数字は裏取りを。調べる価値が下がる時代=調べたものを受けて「どう思うか・どう動くか」が大事
13情報リテラシー&締め:Copilotの回答内の参照リンクをクリックし、個人ブログか/大学・研究者・メディアかで信頼性を判断。「便利だから調べて終わりでなく、自分ならではの使い方を試行錯誤しよう」
後から参考になるポイント

Copilotを使用。回答内に参照リンクが貼られるので、怪しいと思ったらクリックして出典の信頼性(個人ブログか/大学・研究者・メディアか)を判断させる情報リテラシー指導も追加。

「全然知らないお父さん・お母さんに説明して伝わるレベル」という発表の到達基準の置き方が具体的で良い。

配信スタイルならではの工夫ポイント:全クラス同時配信は各教室の温度感やタイムラグが見えにくいぶん、滑り出しの操作案内(Copilotの開き方など)を手厚くすると入りやすい。文字ベースのルール説明は、図解を増やすとさらに伝わりやすくなりそう。